竹尾ペーパーショウ2014「SUBTLE」に行ってきました。
もともと紙がすきなこと、
原研哉さんの著書をいくつか読んでいたこと、
竹尾で働いているAさんやYさんの告知、などなど。
いろいろなことが重なって、これは行かねば!と、会期前から楽しみにしていました。
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「紙の花」 三澤遥 とてもすきな作品のひとつ
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「タグやラベルを描く」ハム・ジナ これ、ぜんぶ手でかいてあるそうです |
ひとつひとつの作品を、じっくり見る。ぜんぶ紙、紙、紙だ。
「SUBTLE かすかな、ほんのわずかの」というテーマが、
何かを制限するということではなくて、とても心地よい。
ふだんは気にもとめない小さなことや、ともすればむだなものに見えること、
それに意味づけていくような。新たな意味が生まれるような。
たとえば紙ナプキン。いくつかの種類が並べてあって、その手触りの違いのことを思う。
たとえば豆本。どこまでが本という物体なのか、もうわからない。石川啄木『悲しき玩具』の豆本があった。
たとえば「開封する」(ティッシュペーパーの箱の上のミシン目、スナック菓子の開封口のびりびりするところ、など。形を見ただけでわかる)
上田義彦さんの「紙の肖像」という写真たちもすごくすてきでした。
いろいろな紙を撮った写真を、同じ紙にプリントアウトしてある。
それなのに、紙の質感がとてもよくわかる。指先にふれた時の感覚を思い出す。
作品に触ることはできないけれど、
作品に使われた紙のサンプルが入場時にもらえるので、それを触りながら見て回ることができる。
目よりも皮膚のほうが、素直な気がする。
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「チョコレートの帽子」 原研哉 微生物みたいなのにこのタイトル、やられた |
原さんの考えていること、やろうとしていることは、とても自然な形で自分のなかに入ってくる、ような気がする。
というよりも、原さんが、自分の考えていることや感じていることをどうやったら相手に伝わるか、ということを考えぬいているのだとも思う。
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「包む」 こういう、小さいものがたくさん集まっていることにときめく |
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「いつくしむ」 すごく気になって、何度も見た (なんと、作った方とお話ができた。もっといろいろ聞けばよかった) |
書籍『SUBTLE サトル|かすかな、ほんのわずかの』も買った。
写真をながめて、文章を読んで。
それから、ページをめくるときの気持ちよさ。指先の皮膚が喜んでいる気がする。
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いろんなことを考えることはもちろん大事で、考えぬくことも大事で。
でも、理由はわからないけどすきだ!と思う気持ちや、
からだが喜んでいるという感覚や、
うまく言葉にできないもやもやも、
ここにある、たしかにここにある、そのことも大事にしていこうと改めて感じました。
ペーパーショウのこと、もう一回くらいブログに書くかもしれない。
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いただいた紙見本 |
会期は明日まで。もう一度行きたい。
特設サイトもとてもすてきなので、ぜひ。
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紙の展覧会|竹尾ペーパーショウ 2014「SUBTLE」
http://www.takeopapershow.com/
会期 2014年5月25日 |日| —6月1日 |日| 11:00 — 20:00(入場は19:30まで)
会場 TOLOT/heuristic SHINONOME(トロット/ヒューリスティック東雲)
東京都江東区東雲2-9-13 2F りんかい線東雲駅 A出口から徒歩5分(Google Map)
主催 株式会社 竹尾
企画・構成 原 研哉+株式会社日本デザインセンター原デザイン研究所